【4月26日 AFP】イタリアの世界的観光地、ベネチア(Venice)のルイジ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長は25日、旧市街の日帰り観光客からの入場料の試験徴収がスムーズに開始されたことを歓迎し、同市の観光業は変わらなければならないと述べた。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されている「水の都」ベネチアでは、25日から旧市街への日帰り観光客に5ユーロ(約830円)のチケット購入が義務付けられた。

 市長によると、初日は1万5700人がチケットを購入した。

 対象は午前8時30分から午後4時の間に旧市街を訪れる日帰り観光客で、観光税を既に支払った宿泊客、14歳未満の子ども、身体障害者などは免除される。チケットはオンラインまたは駅に新設された売り場で購入できる。

 今年のチケット発行は5月から7月にかけてほぼ毎週実施するが、観光客の多い週末に限られるため、影響があるのは29日間のみとなる。

 市長はこの試験徴収にかかった費用は今のところ、入場料で見込まれる収入を上回っているが、価値ある投資だと主張。「これは単なる支出ではなく、われわれが変化する必要性を理解してもらい、それによって当市への訪問を抑えるためのものだ」と声明で語った。

 当局によると、25日に旧市街への入域が登録されたのは約11万3000人。宿泊客4万人、学生1万3000人、労働者2万人、住民の友人や親戚4000人以上が含まれているという。住民は入域する際、身分証明書を提示するだけでいい。

 市長室によれば、25日は十数か所で約75人の係員がチェックしたが、大きな問題は確認されなかった。

 チケットを持たずに入域した場合は50~300ユーロ(約8340~5万円)の罰金を科されるが、当局は罰するよりも説得を試みていくという。(c)AFP