【5月10日 AFP】今年の「ミス米国(Miss USA)」とその10代版「ミス・ティーンUSA(Miss Teen USA)」がここ数日で相次いで辞退し、2人がそろって精神衛生上の健康と価値観の相違を理由に挙げたことで、コンテストの主催団体に疑惑の目が向けられている。

 ミスUSAは1952年に創設され、一時期はドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が所有していたこともある。

 今月3日、主催者団体のSNSディレクター、クラウディア・ミッシェル(Claudia Michelle)氏が辞職した。それを追うようにしてタイトル保持者の2人、ミスUSAのノエリア・ボイト(Noelia Voigt)さん(24)とミス・ティーンUSAのウマ・ソフィア・スリバスタバ(UmaSofia Srivastava)さん(17)が不当な扱いを受けたとして辞退を表明した。

 ミッシェル氏はインスタグラムへの投稿で、2か月間無給で働き、適切なスタッフを与えられず、経営陣は受賞者を軽視していると批判。昨年9月にベネズエラ系米国人として初めてミスUSAに選ばれたボイトさんについては、密接に仕事をする中で「メンタルヘルスの悪化」を目の当たりにしたと述べていた。

 またミッシェル氏は、スリバスタバさんについても「彼女とその家族に対する非礼を目の当たりにした」と主張。「私はいかなる職場の毒もいじめも否定する」と述べ、経営陣の「プロらしくない、不適切な」態度を非難した。

 ミッシェル氏の辞職から3日後の6日、西部ユタ州代表として栄冠に輝いたボイトさんは、インスタグラムへの投稿でミスUSAの辞退を発表。 「心身の健康を損なってはいけない。私たちの健康は私たちの財産だ」と述べた。

 ボイトさんの声明をめぐっては、各文頭の文字をつなげて読むと「私は沈黙させられた」とつづられていると、インターネット上で話題となった。

 またニュージャージー出身で「メキシコ・インド系米国人第一世代」を自称するスリバスタバさんも8日、「個人的な価値観が組織の方向性と完全に一致しなくなった」ことを理由に、ミス・ティーンUSAを辞退した。

 主催団体は2人の決断を「尊重し、支持する」と発表した。