【5月10日 AFP】米国土安全保障省は9日、重大犯罪で有罪判決を受けたことのある亡命希望者の国外追放を迅速化する新たな規定を提案した。

 11月の米大統領選で再選を目指すジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、対決するドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領や共和党議員から、南部国境からの大量の密入国を許しているとして絶えず非難されている。

 国土安全保障省は、特定の犯罪歴のある亡命希望者について、入国後数日以内に亡命申請を却下できるようにする新たな規定を提案した。

「特に重大な犯罪で有罪判決を受けたことのある者、他者への迫害に関与した者、国家安全保障やテロリズム関連の理由で入国を認められない者」が対象。

 新規定は30日の公開討論期間を経て施行される。

 現在、亡命申請者は入国管理局で審査が行われる間、滞在を許可されており、国土安全保障省は「数年かかる場合もあり、リソース浪費型のプロセス」だと批判した。

 同省によると、アレハンドロ・マヨルカス(Alejandro Mayorkas)国土安全保障長官は「安全保障上のリスクがあり、わが国にとどまる法的根拠を持たない個人を迅速に特定し、排除する」ことが可能になると語った。

 政府統計によると、米当局は3月、メキシコ国境からの密入国者19万人近くを拘束した。前月からはやや減少、昨年12月の30万2000人からは大幅に減少している。密入国者の大半は中南米出身となっている。(c)AFP