【5月10日 AFP】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は9日、「イスラエル人過激派」による放火を受け、東エルサレム(East Jerusalem)にある本部を一時閉鎖すると発表した。

 UNRWAのフィリップ・ラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長はX(旧ツイッター)に「今晩、(イスラエルによる)占領下の東エルサレムにあるUNRWA本部の周辺で、2度にわたってイスラエル人住民による放火があった」「武装した男たちを従えた群衆が敷地の外で『国連を焼き払え』と叫んでいた」と投稿した。放火はここ数日で2度目だったという。

 当時、本部内にはUNRWAや他の国連機関の職員がいた。敷地内には国連の車両用の給油所もある。

 ラザリニ氏は「職員に死傷者は出なかったが、炎により屋外部分に大きな被害を受けた」と説明した。UNRWAの職員が自ら消火に当たったという。

 ラザリニ氏によると、本部前では2か月ほど前から「イスラエル人の過激派」が抗議活動を行っていたが、今週に入って暴徒化し、「デモ隊が職員や建物に投石していた」。

 さらに、今回の放火は「言語道断」であり、「またしても国連職員の命が深刻な危険にさらされた」と非難。「1週間足らずのうちに2度も恐ろしい事態が起きたため、治安が適切なレベルに回復するまで本部を閉鎖することに決めた」と述べた。

 また、「この数か月間、国連職員に対する嫌がらせや脅迫が常態化している」とも指摘。「われわれの施設はひどく破壊され、ダメージを受けている。職員がイスラエル人の過激派に銃で脅されたことも何度かあった」と訴えた。(c)AFP