【5月10日 AFP】欧州連合(EU)の気候監視ネットワーク、コペルニクス気候変動サービス(C3S)は、今年4月も世界的に気温と海面水温の平均が記録的に高い「異常な」月だったと報告した。

 C3Sによると昨年6月以降、すべての月が観測史上最も暑い月となっている。4月も例外ではなく、1850~1900年(産業革命前)の平均気温を1.58度上回り、史上最も暑い4月となった。

 欧州では過去2番目に暑い4月だった。アジアもここ数週間、インドからベトナムにかけての広範囲が強烈な熱波に襲われている。

 また4月には、洪水と干ばつという両極端の形で各地で異常気象が観測された。

 洪水は南米、北米、中央アジアなどの地域で発生。ブラジル南部で多数の死者が出ている。他方でオーストラリア東部は豪雨に見舞われた。

 一方、東部以外のオーストラリア、メキシコ北部、カスピ海(Caspian Sea)周辺、スペイン南部、イタリア、バルカン半島などは平年より乾燥している。

 さらに世界の平均海面水温も13か月連続で記録を更新した。

 C3Sのカルロ・ブオンテンポ(Carlo Buontempo)所長は「温室効果ガス濃度の上昇によって海洋と大気に閉じ込められた余分なエネルギーが、今後も地球の気温を新記録に向けて押し上げていくだろう」と指摘した。

 国連(UN)も3月の時点で、今年は記録的な高温になる「可能性が高い」と警告している。(c)AFP/Delphine PAYSANT / Julien MIVIELLE / Linda GIVETASH