【5月8日 AFP】英国のグラント・シャップス(Grant Shapps)国防相は7日、下院で証言し、国防省の給与システムが大規模なサイバー攻撃を受け、氏名・住所や銀行口座などの個人情報が漏えいしたことを公表するとともに、「国家が関与した可能性を排除できない」との認識を示した。一部議員は、中国が攻撃に関与したと主張している。

 シャップス氏は、最近退役した兵士を含め、最大27万2000人の情報が漏えいした可能性があると説明。「悪意を持った主体による仕業であることが強く示されており、国家の関与の可能性を排除できない」と述べた。

 ただ、中国が関与した疑いについては明言せず、「今回の出来事は高まる一方の脅威に英国がさらされていることの新たな証しだ」とのみ語った。

 一方、対中強硬派のトビアス・エルウッド(Tobias Ellwood)議員はBBCラジオに対し、「給与システムに含まれる氏名や銀行口座情報を狙うのは中国のやり方だ。情報を利用して従わせる標的を見つけ出す計画だ」と話した。
 
 これに対し中国外務省の林剣(Lin Jian)報道官は、「当該英議員の発言はまったくばかげている」とし、「中国はいかなるサーバー攻撃についても常に断固反対し、取り締まっている」と反論した。(c)AFP/Helen ROWE