【5月8日 AFP】激しいインフレに見舞われているアルゼンチンは7日、最高額面紙幣の1万ペソ札の流通を開始した。額面は従来の2000ペソ札の5倍だが、価値はわずか約11ドル(約1700円)相当。

 経済危機に陥っているアルゼンチンは、インフレ率が年率290%近く、国民の約半数は貧困状態にある。

 中央銀行はちょうど1年前、当時の最高額面紙幣の1000ペソ札の2倍となる2000ペソ札を発行した。1000ペソ札の場合、現在、平均的な飲食店でディナーを楽しむには15枚ほど必要になるが、新紙幣の発行により、大量の紙幣を持ち歩く必要はなくなる。

 中央銀行は、年内に2万ペソ札も発行するとしている。

 アルゼンチンでは高額紙幣の発行は今に始まったことではなく、1980年代には100万ペソ紙幣が発行された。(c)AFP