【5月7日 AFP】(更新)ボクシング、世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチは6日、東京ドーム(Tokyo Dome)で行われ、王者・井上尚弥(Naoya Inoue)は6回TKOで挑戦者ルイス・ネリ(Luis Nery、メキシコ)を下し、王座を防衛した。勝利インタビューでは、序盤にいきなりダウンを奪われて「燃え上がった」と明かした。

 東京ドームでのボクシング興行は1990年2月以来で、そのときは元世界ヘビー級王者マイク・タイソン(Mike Tyson、米国)が、圧倒的な格下とみられていたジェームス・ダグラス(James Douglas、米国)にボクシング史上最大の番狂わせを喫した。

 そしてこの日のファイトでは、無敗の「モンスター」こと井上に対し、4団体のベルト奪取を狙うネリが1回に強烈な左フックを浴びせていきなりダウンを奪い、4万3000人が詰め掛けた会場にまたもや大激震が走った。

 井上は衝撃的な展開となった1回を終えて腰を下ろした際、自分でも信じられない様子の笑みを浮かべていたが、椅子から立ち上がって気合の声を上げながら2回に突入すると、絶好のタイミングでダウンを奪い返し、5回にもネリをキャンバスに沈めて6回に右フックで仕留め切った。

 井上は試合後の勝利インタビューで、「自分自身すごくプレッシャーがあったんですけど、こうして皆さんの力が僕のパワーになりました」と感謝した後、勝利の瞬間について聞かれると「倒した瞬間は、もういつになく最高な気持ちですけど、皆さん1ラウンド目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか」と会場を沸かせた。

 さらに、「やっぱりボクサーということで、そういうシーンって、自分自身燃え上がるところがあるので、非常にハイテンションで試合をしてました」「ダウンした瞬間に落ち着いて対処することができたので、普段のイメトレがこうしてここで出たと思います」と振り返った。

 昨年12月に4団体統一王座に就いてから初の一戦に臨み、これで戦績を27戦全勝(24KO)に伸ばした井上はまた、陣営側が次の防衛戦の相手としてサム・グッドマン(Sam Goodman、オーストラリア)との交渉に臨み、試合は9月に行われる見通しであるとも明かした。

 敗れたネリの戦績は35勝(27KO)2敗となった。(c)AFP/Andrew MCKIRDY