【4月29日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis、87)は28日、イタリアの世界的観光地、ベネチア(Venice)を訪問し、ミサを執り行った。教皇は昨年9月に仏マルセイユを訪れて以降、体調不良を理由にローマを離れていなかった。

 サンマルコ広場(St Mark's Square)に集まった1万人以上の信者を前に説教し、「ベネチアは水と一体だ。この自然環境を保護しなければ消滅してしまうかもしれない」「われわれの人生も同じ。神の愛の泉の中に永遠に浸されている」と述べた。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているベネチアでは、教皇訪問に先立ち、日帰り観光客に5ユーロ(約850円)の入場料の徴収が始まった。オーバーツーリズム問題への対策の一環となる。

 これに関連して教皇は、「観光を適切に管理し、人(の暮らし)に適した環境をつくり出すことの難しさ」があると語った。

 教皇はミサに先立ち、ジュデッカ島の女子刑務所を訪問した。同施設では現在、国際美術展「ベネチア・ビエンナーレ(Venice Biennale)」の作品の一つが展示されている。バチカン(教皇庁)による出展で、美術作家10人が受刑者の日常生活をテーマに制作した。(c)AFP