【4月19日 AFP】北朝鮮は19日、国連(UN)米国代表部トップによる今週のアジア歴訪について、同盟国に支援を求める「敗者の物乞い旅行」と呼び、嘲笑した。

 18日に韓国を訪問した米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)国連大使は、北朝鮮政府に南北対話の再開を促した後に、それでも核武装した北朝鮮を抑止する「効果的な手段」は制裁だと考えていると述べた。

 さらに同氏は「ロシアとイラン」を含め、北朝鮮に対する制裁を「できる限り効果的に機能する方法で実施していない」国々があると非難した。

 国連では先月、安全保障理事会(UN Security Council)で、北朝鮮に対する制裁の履行を監視する専門家パネルの任期を1年間延長する決議案が採決にかけられたが、ロシアの拒否権行使により否決された。トーマスグリーンフィールド氏の発言をこれを受けたものだった。

 同氏の歴訪について、北朝鮮外務省は声明を発表。アジア地域の歴訪よりも悪化する中東情勢に対処すべきだとし、「米国はパレスチナを含む中東の平和と安全保障については全く考慮していないにもかかわらず、DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)に対する崩壊寸前の制裁メカニズムの将来について頭を悩ませている」と批判した。

 さらに、国連大使のアジア派遣は「DPRKに対する不当な制裁と圧力の減衰を、より劣る同盟国の支援によって生き返らせようという敗者の物乞い旅行にすぎない」と付け加えた。(c)AFP