【4月17日 AFP】英国で16日、イスラム教徒の女子生徒が、校内での礼拝を禁じられたことについて学校を訴えた裁判で敗訴した。学校での信教の自由をめぐる同裁判は、国民の関心を集めていた。

 女子生徒が訴えたのは、ロンドン北西部にあるミケーラ・コミュニティー・スクール(Michaela Community School)。同校は公立だが独自に運営されており、校則の厳しい進学校として知られている。

 BBCによると、昨年、数十人の生徒が校庭に制服の上着を敷いてひざまずき、礼拝をするようになったため、学校側は校内での礼拝を禁じる校則を導入した。

 女子生徒は、校内での礼拝を禁じるのは、信教の自由の権利に対する違法な侵害であり、「宗教的少数派に社会からの疎外感を抱かせる差別の一種」だと訴えていた。

 一方の学校側は、「宗教グループ同士の隔絶と、イスラム教徒の生徒内での脅迫」につながる「文化的な変容」を懸念したためだと反論していた。

 ロンドンの高等法院の判事は、同校に入学した時点で自身の信仰表明が制限されるのを事実上受け入れたことになるとして、女子生徒の訴えを退けた。

 また、校則は「適切」であり、その目的を達成できる利益は、同校のイスラム教徒の生徒らの権利に対する「悪影響」を「上回る」と結論付けた。

 キャスリン・ビルバルシン(Katharine Birbalsingh)校長は、「学校は、生徒にとって正しいことを自由に行うべきだ」「よって、今回の判決はすべての学校にとっての勝利だ」とX(旧ツイッター)に投稿。

「一人の生徒とその母親が不満だからといって、方針変更を強制されるべきではない」と述べた。(c)AFP