【4月11日 AFP】大相撲で史上初の外国出身横綱になった曙太郎(Taro Akebono、旧名チャド・ローウェン<Chad Rowan>)さんが死去したと、11日に国内メディアが報じた。54歳だった。共同通信によれば、今月上旬、心不全のため亡くなった。

 米ハワイ出身の曙さんは、1990年代を代表する力士として活躍した。93年に第64代横綱に昇進し、96年に日本国籍を取得した。

 米国のラーム・エマニュエル(Rahm Emanuel)駐日大使も声明を発表し、曙さんは「誇り高きハワイアン、そして日米のかけ橋」だったとたたえ、「1993年に史上初の外国出身力士として最高位である横綱となり、他の外国人力士が大相撲で成功するための扉を開きました。日本で過ごした35年の間に、スポーツを通じて皆をひとつにすることで、第二の故郷となった日本と米国との文化的な結びつきを強化してくださいました」と追悼した。

 身長2メートル超、体重230キロ超を誇った曙さんは、貴乃花(Takanohana)や若乃花(Wakanohana)と熱戦を繰り広げたことで知られる。98年長野冬季五輪の開会式では横綱土俵入りを披露した。01年の引退後は後進の育成に当たり、プロレスなどの格闘技にも挑戦した。(c)AFP