■「社の方針は利益より重要」

 マスク氏は6日、「わが社はおそらくブラジルでの収入を全て失い、オフィスの閉鎖を余儀なくされるかもしれない」「だが、社の方針は利益より重要だ」と表明。

 また、ブロックされたアカウントを復活させるとも明言している。

 一方のジモラエス氏が弾劾される可能性は低く、偽情報を取り締まる手綱を緩めることもなさそうだ。

 昨年話題となった、マスク氏と米交流サイト大手メタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)との「ケージマッチ(囲いの中で行う格闘技の試合)」は実現しなかったが、Xユーザーの中には、マスク氏とジモラエス氏とのケージマッチを求める声もある。

■「検閲」か「規制」か

 ブラジルのホドリゴ・パチェコ(Rodrigo Pacheco)上院議長は、規制は「検閲」とは異なると主張。2020年に上院で可決されたソーシャルネットワークの規制法案の承認を下院にも求めている。

 ソーシャルメディアにおける言論の自由への規制をめぐっては国際社会で論争になっており、ブラジルも例外ではない。ソーシャルメディアでの制約のない状態は、民主主義の危機を招きかねないという意見もある。

 ブラジルのデジタル著作権の専門家、エステラ・アランヤ(Estela Aranha)氏はAFPに、ソーシャルメディアの規制は「急務」とした上で、分断が深刻化しているブラジルでは一朝一夕には実現しないだろうとの見方を示した。(c)AFP/Joshua Howat Berger