【4月17日 AFP】7月26日の開幕まで100日を迎えたパリ五輪。ここではそのパリ五輪で会場を盛り上げ、観客やテレビの前の無数のファンを沸かせることが期待される選手5人を紹介する。

■シモーネ・バイルス(米国)/体操女子

 2年間の休養を経て、米体操界のスーパースターであるシモーネ・バイルス(Simone Biles)は、おそらく大会で最も注目される選手としてパリ五輪に臨むことになる。

 五輪で4個の金メダルを獲得しているバイルスは、前回の東京五輪でも大会の看板選手になるはずだったが、空中で平衡感覚を失うメンタルブロック状態「ツイスティーズ」に悩まされ、大半の種目を棄権した。それでもそこから見事に復活し、国際舞台への復帰戦となる昨秋の世界体操(52nd FIG Artistic Gymnastics World Championships)では4個の金メダルを獲得した。

 SNSでは数百万人のフォロワーを抱え、世界各地にファンがいるバイルスは、2016年のリオ五輪以来となる表彰台の一番高いところから、代名詞の笑顔を輝かせることを目指す。

■フェイス・キピエゴン(ケニア)/陸上女子中距離

 昨年、フェイス・キピエゴン(Faith Kipyegon)以上に活躍した陸上トラック競技の選手はいないだろう。三つの異なる種目で世界記録を出し、第19回世界陸上ブダペスト大会(World Athletics Championships Budapest 2023)では二つの金メダルを獲得して、年間最優秀選手に選出された。

 リオ五輪と東京五輪では1500メートルの連覇を達成し、パリでは複数種目優勝の可能性もある。陸上大国と言われる一方、近年は度重なるドーピングスキャンダルに揺れている母国ケニアは、キピエゴンの成功をどうしても必要としている。

■テディ・リネール(フランス)/柔道男子

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、パリ五輪の目標として、メダル獲得数で5位以内に入ることを掲げている。そのためには、フランスにはまばゆいスターが必要で、そして柔道の世界でテディ・リネール(Teddy Riner)以上の輝かしい実績を残している選手はいない。

 リネールはこれまでに五輪で3個の金メダルと2個の銅メダルを獲得している。東京五輪後には休養を取ったが、昨年5月の世界柔道選手権(World Judo Championships 2023)の100キロ超級を制して大会通算11個目のタイトルを獲得し、五輪へ向けて好調を維持しているように見える。

 昨年12月の大会では3戦全勝を果たし、パリ五輪開幕時点で35歳という年齢ながら、4大会連続の金メダル獲得を狙える状態であることを示した。パリ五輪へ向けた代表メンバーに選ばれた後には、「ただ目立つだけではダメ。いい内容を見せて、母国に最も美しい色のメダルをもたらす」と語っている。