【1月8日 AFP】中国国家安全部は8日、外資系コンサルティング会社のトップが英対外情報部「MI6」のためにスパイ活動をしていたことが判明したと発表した。

 国家安全部は通信アプリ・微信(ウィーチャット、WeChat)への投稿で、英MI6が「フアン」という姓の外国人と「情報協力関係」を築いていたと述べた。

 国家安全部は、資系コンサルティング会社を率いるこの人物について「公の肩書を隠れみのにせよとの指示の下、英国のために中国関連の情報を収集し、またMI6が利用できる人材を探すために中国に繰り返し入国」したと指摘。発覚までに、国家機密を含む17件の情報をMI6に提供したとしている。

 国家安全部によると、この人物は英国で「専門的な諜報(ちょうほう)訓練」を受け、「特殊なスパイ機器」を使って通信していたとされる。

 また捜査の結果、「フアンが諜報活動に従事していたという犯罪の証拠を速やかに突き止め、法に基づき刑事上の強制措置をとった」と明らかにした。

 容疑者の身元や所属企業、現在の状況や所在に関する詳細は公表されていない。

 在中英国大使館にコメントを求めたところ、英外務省に質問するようにとの回答があった。ただ、現時点では、外務省からの返答はない。

 中国と英国はここ数か月、スパイ疑惑と国家安全保障への影響をめぐり対立を繰り返している。

 英政府は、同国の政府高官が中国のスパイに狙われているとしているが、中国側はこれを認めていない。昨年9月には、中国のためにスパイ行為に及んでいたとして英議会の調査担当者が逮捕されている。(c)AFP