【11月7日 AFP】サッカー女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)のキス騒動で世界中の注目を浴びているスペイン代表のヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)が、男性誌「GQ」のスペイン版でウーマン・オブ・ザ・イヤーに選出され、永続的なレガシーを残したいと述べた。

 スペインの優勝に貢献したエルモソは、8月20日のW杯表彰式で同国サッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長(当時)に両手で頭を抱えられ、唇に無理やりキスをされた。この問題で国際サッカー連盟(FIFA)は先週、ルビアレス氏に3年間の資格停止処分を科したが、同氏は一貫して合意の上でのキスだったと主張しており、処分に異議を唱える意向を示している。

 エルモソはGQのインタビューで、騒動後から激しい重圧に直面していたと認めつつ、「自分はスペインを高みに押し上げ、世間の姿勢を変えた人物として記憶されたい」とコメント。また、その影響として「脅迫を受けた。決して自分から(キスを)求めたり、始めたりしたわけじゃないのに」とも明かした。

 このキス騒動はスペインで大きな影響を及ぼし、女子代表チームの上層部交代やフェミニスト団体および学生団体のデモにもつながった。

 スペイン女子代表の歴代最多得点記録を保持しているエルモソは、「私たちの多くは『フェミニズム』という言葉の本当の意味に気がつき始めた。私たち女子サッカー選手は、平等を求める闘いを間近で経験してきた」と話した。

 そうした闘いの中で「気まぐれだと呼ばれ、男子と同等の給料をもらおうとしていると言われたけれど、それは真実ではない」と主張。女子サッカーが「男子サッカーほど十分な収益を生み出していない」との指摘に「激怒」しているという。

 33歳のエルモソは、それは「承知している」とした上で、「男子と同等のものを求めているわけではない。ただ、最低賃金のような基本的な必須条件を要求しているだけ」とし、「物事を変えるために闘い続けていく必要があるのなら、自分はそうする」と語った。(c)AFP