【6月15日 AFP】米検察は14日、ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)に献体された遺体の部位を密売したとして、遺体保管責任者の男ら6人が起訴されたと発表した。

 ペンシルベニア州ミドル地区連邦検事事務所によると、起訴されたのはセドリック・ロッジ(Cedric Lodge)被告(55)のほか、妻デニス(Denise Lodge)被告(63)ら共犯者5人。全国的な遺体密売網に関与したとされる。

 ロッジ被告は2018~22年、提供された遺体が火葬される前に内臓などの部位を盗んだ疑いが持たれている。

 同被告は盗んだ部位を、マサチューセッツ州ボストンの大学施設からニューハンプシャー州ゴフスタウン(Goffstown)の自宅に持ち帰り、妻と共にカトリーナ・マクリーン(Katrina Maclean、44)、ジョシュア・テーラー(Joshua Taylor、46)両被告に売却した。

 両被告を大学の遺体保管所に招き、買い取りたいものを検討させたこともあるという。両被告は、営利目的で部位を転売していた。

 主要紙ボストン・グローブ(Boston Globe)によると、訴状には、マクリーン被告が「なめし革」にしてもらうため、人の皮膚をテイラー被告に送付したとの記述もある。

 ジェラード・カラム(Gerard Karam)連邦検事は「理解を超えた犯罪だ」と形容。「遺体の多くは医学生の教育や科学・医療の進歩のために献体されたことを考えると、極めて悪質」だと糾弾した。

 ハーバード大は5月6日付でロッジ被告を解雇したとしている。(c)AFP