【3月11日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、フランクフルト(Eintracht Frankfurt)との契約を更新した37歳のベテランMF長谷部誠(Makoto Hasebe)は、チームメートから「おじいちゃん」の愛称で呼ばれているものの、現役最終シーズンになるであろう来季、再び欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2021-22)の舞台でプレーすることを夢見ている。

 元日本代表キャプテンの長谷部は今シーズン限りでの現役引退を検討していたが、8日にフランクフルトとの契約期間を2022年6月まで延長した。

 フランクフルトが王者バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)を2-1で下した前月の試合で、長谷部はキャプテンを務めた。

 長谷部は10日、記者団に対し「38歳になる来年もブンデスリーガでプレーできることがとてもうれしいし、誇りに思う。とにかく驚き」とコメントした。

「1年前は、99.9パーセント、この夏に引退すると思っていた」と話す長谷部だが、1月にCBからMFにポジションが変わってから、より充実した選手生活を満喫している。

 チームから1年の契約延長オファーを提示された際、長谷部はそのチャンスに飛びつき、「給料については交渉すらしなかった」という。

 日本代表で114試合に出場した長谷部は、2018年に行われたW杯ロシア大会(2018 World Cup)の決勝トーナメント1回戦でベルギーに敗れた後、代表チームのユニホームを脱いだ。

 長谷部は、来シーズンがおそらく「僕にとっての最後」になるだろうと語っている。

 VfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)でチャンピオンズリーグのグループステージに出場した2009-10シーズンから10年以上が経過するが、長谷部はフランクフルトでも同大会に挑戦することを目指している。

 スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に決勝で敗れた1959-60シーズンを最後に、欧州最高峰の舞台から遠ざかっているフランクフルトは、チャンピオンズリーグ出場権を争う5位バイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)と3ポイント差の4位につけている。

 長谷部は「もう一度チャンピオンズリーグでプレーするのが大きな夢」とした上で、「現実的な目標ではあるが、謙虚なままでいなければならない」と続けた。

 来年1月に38歳を迎える長谷部だが、54歳ながらJリーグ1部(J1)の横浜FC(Yokohama FC)で現役を続ける先輩・三浦知良(Kazuyoshi Miura)の後を追うつもりはないようだ。

「毎年夏に日本でお会いして、食事をご一緒させていただく。カズさんはすごい」

「体調管理についていろいろなことを話す。カズさんはお酒をほとんど飲まず、いつも健康的な食事をしている。そして日々2、3時間は体をケアしている」

「カズさんは僕のお手本だけど、あれほど長くプレーを続けることが僕の目標というわけではない。僕にはできない」

 フランクフルトのチームメートから40代が迫っていることを定期的に言われるという長谷部は、「『レジェンド』や『おじいちゃん』『おっさん』など、彼らからはたくさんのニックネームをつけられる」と冗談ながらに明かした。

「8年にわたって代表チームの主将を務めていたから、日本では『キャプテン』とだけ呼ばれている」

 長谷部が所属するフランクフルトは14日、2位RBライプツィヒ(RB Leipzig)とのアウェーゲームに臨む。(c)AFP